竹野で生まれ変わった元空き家たち 事業所編③

今回のお店は…

竹野浜の目の前で、田中夫妻が営むダイビングショップ「ダイブリゾートT-style」兼民宿「ねこざき」さんを取材させていただきました。

約10年前に旦那様が大阪から但馬に拠点を移し、今の事務所を構える前にダイビングの修業期間を過ごしていた頃、同じ職場で働いていた今の奥様と出会われたそうです。2016年にこの物件を借り始め、自身のダイビングショップを運営。竹野の海を楽しみに来たお客さんにゆっくりしてもらうため、同時に民宿もスタートさせました。

2つの事業を組み合わせて営む二刀流で、どちらのお仕事でも息ぴったりな田中夫妻に色々とお話を聞いていきます。

民宿「ねこざき」外観
田中夫妻

どんな場所を探していましたか?

実はこの物件を借りる前に、竹野の別のエリアで少しの間借りていた物件がありますが、海のアクティビティの中心地である竹野浜からは少し離れていたのと、民宿をするには手狭だったので、よりよい物件を探していました。

そんなところへ、ちょうど「竹野浜の目の前の物件が空いている」という情報が入ったので、共通の知り合いを通じて家主さんとお会いし、借りられることになりました。

もともと民宿だった物件なので客室もあり、「ダイビング+民宿」の二刀流の実現が可能となりました。

修繕内容は?

ほとんど居抜きで使える状態だったので、大きな修繕はしていません。1階と2階のトイレは床や洗面台も含めて新しいものにしました。この工事は約300万円で、修繕期間は約2か月でした。一部市の助成金も使わせてもらいました。

修繕後のトイレ&洗面台(もちろん中の便器も綺麗な洋式)

また、ダイビングショップなので、民宿の敷地入口にはシャワールームを2つ設置しました。ダイビングが終わった後、お客さんがすぐにシャワーを浴びて、使ったウェットスーツなどは外の干し場に干してもらえるようにしているので、とても便利です。

新設したシャワールーム

お気に入りポイントは?

何より立地が気に入っています。宿の正面玄関を出れば、道路の向こう側にはすぐ竹野浜が見えますが、それに加え、宿の裏手には竹野川の流れる景色を眺めることができます。川の対岸の町並みや係留されている漁船、その奥には船小屋もよく見えて、特に2階客室からのこの景色はお客さんからも評判です。夏場は蚊にかまれることなく、客室から夕陽が見られるのもおすすめポイントです。

目と鼻の先には「北前館」があり、2階の竹野温泉「誕生の湯」からは竹野浜を一望できるので、潜った後のお客さんにいつもおすすめしています。

自分たちの事業のことを考えても、海も川も近いというのは、海況に応じてどちらからでも船を出せるということなので、最高のロケーションだと思っています。

2階客室から見える竹野川河口の風景

家にあった残置物は?

一部は処分しましたが、ほとんどそのまま使わせてもらってます。民宿で使う食器類は買い取らせていただきました。前の民宿と同様に、私たちも冬には蟹料理を出したりするので、用途の同じものが既に揃っているのはありがたいことでした。

内部はトイレ以外ほとんどそのままの状態で使わせてもらっているので、廊下にあるレトロなタイルの洗面所や床の間にあるトラの置物など懐かしい雰囲気が残っています。

床の間にいるねこざきの看板ネコ(トラ)

民宿「ねこざき」さんから現在空き家を所有している人へ

竹野でも老朽化が進んでいる家屋を目にします。豊岡市内の方でも海沿いの竹野に住みたいという声を聞くことが多くなってきました。早めに決断された方がいいような気がします。

私たちが借りている家の家主さんには、相談したことに対していつも柔軟に対応していただけるので感謝しています。

編集後記

海と言えば夏のイメージが強いかもしれませんが、ダイビングは春も秋も、また、海況がよければ冬もできます。これに民宿業を組み合わせて、本当に海が好きなお二人が営んでいるからこそ、この立地が活きているのだと感じました。最近は「T-style」さんの新しいHPができ、彼らの撮った素敵な海中写真が散りばめられています。ぜひご覧ください。「T-style」https://www.takeno-diving.com/ 「ねこざき」http://nekozaki-inn.com/

次回は、来春に開業予定の気になる飲食店にお邪魔します。お楽しみに!

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