竹野で生まれ変わった元空き家たち 住まい編⑥

今回のお宅は…

2018年に鹿児島から親子3人で移住した岩井家にお邪魔しました。ご夫婦は奥様の故郷である鹿児島の職場で出会い、ご結婚。旦那様のご実家が竹野の老舗ホテル「奥城崎シーサイドホテル」を経営されていたことから、3代目社長に就任するタイミングを目前に控え、幼少期を過ごした竹野へご家族と戻ってきました。奥様もちび女将(娘さん)もホテルを支えるべく、奮闘されてます。

竹野に戻ってきてから、2020年に社長に就任&ホテルのリニューアルオープン、2021年に創立50周年など大忙しの日々の中、新しいサービス形態を取り入れたり、地域の若い世代が楽しめるクラブイベントを企画したり、アーティストを地域へ呼び込んだり…と精力的な活動が目立ちます。今回は、そんな岩井家にお話を聞いていきます。

外観
岩井家

どんな場所を探していましたか?

会社まで歩いていける距離にある物件を探していました。そして、できれば海が見えたらいいなぁと思っていました。鹿児島から竹野へ戻ることを決めてから、たけのかぞくに借りられる物件がないかを問い合わせ、ちょうど空いている物件があったので見せてもらうことになりました。

家主さんがご近所に住んでいることもあって、常にきれいに管理されていたので状態はよかったです。立地も希望していたとおり海が目の前だったので、すぐに気に入って住もうと決めました。

修繕内容は?

賃貸ですが修繕可能な物件だったので、夫婦で相談して自分たち好みに修繕させていただきました。

1階のキッチンはシステムキッチン化、お風呂はユニットバス化しました。また、玄関の引き戸が老朽化していたので新しいものに取り替えました。1階2階ともに廊下の床はフローリング化、壁は緑がかった壁を上から白く塗り直しています。

修繕前のキッチン
修繕後のシステムキッチン(右側はDIYで作った食器棚)

2階の部屋は畳の張り替えを行いました。引っ越して来たときは、まだ子どもが1歳だったので、階段上部には転落防止柵も設置しました。

お子さんのための転落防止柵

工事総額は約400万円、修繕期間は約2か月でした。兵庫県と豊岡市の助成金も活用することができました。その後、住みながらDIYでキッチンに食器棚を作ったり、廊下に書斎を作ったりしています。

お気に入りポイントは?

水回りの中でも特にお風呂は快適に使えるので、新しいものにしてよかったと思います。もともとある部分で言うと、天井の模様が今ではあまりないタイプだと思うので、結構気に入っています。

そして何より、立地がよかったです。料理をお弁当箱に詰めるのではなく、トレーにのせた状態で家から出て、すぐそばの浜を眺めながらランチを楽しむこともできます。

また、近所の方も気さくな方が多くてありがたいです。お店の一角を子どもたちのために開け放って遊ばせてくれる人、畑で採れた野菜を分けてくれる人、いつも同じ場所にいて決まって声をかけてくれる人…子育てする身としてはとても助かっています。

修繕後のユニットバス(壁の地図や九九が微笑ましい)

岩井家から現在空き家を所有している人へ

移住する側としては、物件の選択肢は多い方が嬉しいと思います。空き家所有者の次世代が別荘代わりに使っているパターンもありますが、管理状態が悪い物件があるのも事実です。時々しか訪れないと、どうしても地域とのコミュニケーションが十分に取れない場合もあります。せっかくの素敵な家を健康な状態に保つためには、放っておくよりも人が使った方がいいと思います。

美しい玄関周り(天井の地模様がおしゃれ)

編集後記

立地も幸いして、ご近所さんとのコミュニケーションも楽しみながら子育てしている様子が伝わってきました。子育てもお仕事も忙しいですが、職場に歩いて通えるというライフスタイルは、都会ではなかなか実現しないことなので、観光地ならではの暮らしではないでしょうか。

DIYで作った食器棚や書斎を見せてもらいましたが、どれも綺麗に陳列したり収納したりするための工夫であることに気づかされました。さすがサービス業ファミリー。子育て世帯とは思えないほど、本当に綺麗に整頓されていたので、皆さんもよければ参考にしてください!

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